＜インプレッション＞
　"A La Carte（ア・ラ・カルト）"では、どうしてもシングルヒットが欲しかったのでしょうか？　Fritz はボーカルの Palmer 以外の全てのメンバーをセッション・ミュージシャンに代えてしまいました。
　このアルバムの内容はそのタイトルが示すように、レストランのメニューのように多彩なものになりました。Palmer は ブライアン・ウィルソンの"Darlin'"のカバーまで歌っています。
　プログレ色は全くと言っていいほど無くなりました。その代わりにあるのは Fritz のアレンジの才能の博覧会です。「ウェスト・コースト・ロックも作れるんだ」と言うことを誇示するような"Jo Ann Walker"や、まるで演歌のように Palmer が情感たっぷりに歌い上げる切ないラブソングの"For You"など、どれもアメリカでのセールスを過剰に意識したような作りです。